先生&生徒のつぶやき
2021.09.06
神様
神様
執筆者:教頭 人見敏史
僕の人生に多大なる影響を与えた文化人を挙げろと言われれば、まさしく僕にとっての神様、『BOB DYLAN(ボブ ディラン)』である。初めてBOB DYLANの歌を聴いたのは中学校2年生の時に聞いた「時代は変わる: The Times They Are a-Changin」だった。きっかけは遠藤賢司がテレビか何かで紹介していたと思う。僕の年代にBOB DYLANを聴く奴なんていなかったが、僕はすっかりとハマってしまった。英語の歌詞の意味なんか分からなかったけど、スピーカーから流れるメロディとしわがれた声に電流が走るような衝撃を受けた。そこから彼について書かれた本や詩集を読み漁り、小遣いをためてCDを買い漁り、とにかくBOB DYLANに深く傾倒した。当時は今と違ってインターネットなんか無かったので、レコード・コレクターという本やCDデータという本が主な情報源だった。
BOBDYLANと同じ音を得るためにFenderテレキャスターやストラトキャスター、Martin D-28、GibsonのJ45やJ200といったギターの名機も手に入れた。
2001年、ついに僕は神様と会った。大阪フェステバルホールで開催されたコンサートだった。2曲目でThe Times They Are a-Changinを歌ってくれた。後にも先にも失神するくらい興奮したのはあの時だけだ。アンコールは「風に吹かれて:Blowin' in the Wind」だった。歌い終わった後、前から9列目の席だった僕はステージ前に駆け寄った。そして神様と確かに目が合ったのだ。
僕は相変わらずBOBDYLANを聴いている。あれから約30年が経った。1959年のデビュー以来、その長いキャリアを称えられ、アメリカ大統領自由勲章やピューリッツァ賞、ノーベル文学賞等を受賞した。が、齢80を超えても変わらず進化し続け、世に作品を発表し続けている。
最後に、僕が感動した彼の言葉を紹介する。
「A man is a success if he gets up in the morning and gets to bad at night , and in between he does what he wants to do.(朝起きて夜寝るまでの間に、自分が本当にしたいことをしていれば、その人は成功者だ)」